こんにちは。株式会社Careerchipsの宗俊です。
前編に続き、後編では2024年度の新入社員の育て方について解説させていただきます
2024年度の新入社員の特徴と育て方
① とりあえずやる、は意味不明
② ハイリスクハイリターンよりもローリスクローリターン
③ 人前では褒められも怒られもされたくない
特徴① とりあえずやる、は意味不明
会社が社員に対し評価や賞与といった外的動機を用意することで仕事に対するモチベーションを上げることはよくある話です。
ですがこの取り組みでは一時的なモチベーションには繋がるものの、
”この会社で働き続ける意味”といった内的動機には繋がりません。
以下の図はハーズバーグの二要因理論というものです。
人事管理に必要な要素を「動機付け要因(Motivator Factors)」と
「衛生要因(Hygiene Factors)」の2種類に分けて考えるべきだとする理論です。
合理的でもあり、何事にも意味を求めるZ世代の育成には”仕事のおもしろさ、やりがい”を如何に感じてもらえる、
所謂「動機づけ要因」の環境を用意できるかが重要です。
動機づけ要因と関係してくるものが”仕事の意味付け”です。
社員に任せる仕事に「なぜ自分が行う必要があるのか」を理解してもらうことが大切です。
短期的には報酬等の外的動機で動いてもらうことは可能かもしれませんが、
それでは仕事から得るやりがいや充実感が薄く、早期離職につながる要因の1つにもなります。
働く意味(内的動機)を失わないようフォローすることが大切です。
多くの新入社員は熱い気持ちや理想を持って入社日(4月)を迎えています。
ですが、入社日に持っていた熱い気持ちは、入社後の2〜3ヶ月で薄れてしまう人がほとんどです。
それは入社後すぐには就職活動時に描いていた仕事をすぐには担当できない、
成果をあげるための地道な努力の大変さ、実力や知識不足を痛感、顧客からのクレームといった様々な理由があります。
しかし、自身にとっての仕事の意味やキャリアへの紐づけの下に納得して業務に向き合うことで、
熱い気持ちを忘れずに仕事を続けることができます。
そのためには上司と新入社員の関わり方が重要です。
小まめな1 on 1でのフィードバックの機会を設けるようにしましょう。
そしてフィードバックをする際には、仕事の意味付けを一緒に考え、キャリア設計に絡めましょう。
ここで「自分が価値を感じること」に紐付けることが必要です。
上司から一方的に「顧客のため」「会社のため」という価値観を押し付けることは逆効果です。
まとめ
特徴:とりあえずやる、は意味不明
対策:仕事への意味付けを小まめな 1 on 1で伝える
特徴② ハイリスクハイリターンよりもローリスクローリターン
前編では、Z世代は圧倒的な経験前学習のスタイルであるとお伝えしました。
失敗回避思考が強い今期の新入社員に対し、
管理職層が新入社員時代に経験した”先輩の背中を見て学ぶ”といった育成スタイルでは心に響かせることができません。
「そんなことより早くやり方教えて!」が本音です。
先輩や上司から”失敗しないための方法”を教えてもらえなければ最初の一歩を踏み出すことに恐怖を覚えます。
そして、一歩を踏み出すためにGoogle検索で答えを探したり、答えを教えてくれそうな先輩を探したりします。
このような姿を失敗を重ねることで成長することを経験してきた上司が見ると、
フットワークが重いといった評価をしてしまいます。
合理性に敏感であったり早く失敗しない答えが知りたい新入社員は、
例え新入社員を思っての育成方針だったとしても、
正しいやり方を知っていれば本来は数時間で終わる作業を、3日間の猶予のもと
トライ&エラーを重ねてやってみてね、と言われた場合、大きな苦痛を感じます。
このように「まずはやってみろ」の精神で仕事を任せた場合、
新入社員は何をどう進めればいいか分からないまま、失敗を繰り返し、自信を失い、
自己肯定感が下がり、早期離職にもつながりかねません。
重要なのは「失敗をしてもいいから」という姿勢ではなく、
正しい方法を教えることを前提としながら、なぜその方法が正解なのかを指導することです。
丁寧な説明を行い、先輩や上司がフォローすることで、安心感を与え、やる気を引き出すことができます。
さらに、フィードバックを積極的に行うことで、よりスピード感を持って成長していくでしょう。
まとめ
特徴:ハイリスクハイリターンよりもローリスクローリターン
対策:世代の特徴に合わせ、先に教えてまずは小さな経験をさせる
特徴③ 人前では褒められも怒られもされたくない
新入社員に成果をあげさせる上で、自己肯定感を上げることは大切です。
自己肯定感が低いままでいると、自分に自信を持てずにモチベーションが下がり、成果を出すことが難しくなります。
昔はそれでも「仕事だから、とにかく頑張る」といった価値観もあったかもしれませんが、
現在はそういう価値観は薄れています。
そのため、上司や先輩社員は、新入社員にフィードバックを通じ、認められる機会を積極的に作ることが必要です。
自己肯定感を上げるための”認める”には、
「成果を褒める」「質問に真摯に答える」「積極的にフォローする」といったことを意識するとよいでしょう。
「褒める」場合も、多くの人の前で褒めるよりも、1 on 1のプライベートな空間で褒めることが効果的です。人前で褒められると、嬉しい!よりも恥ずかしい!という気持ちが先行してしまいます。また、個別で褒めることで、「自分のことを見てくれている」という特別感にも繋がります。
「指摘」「指導」する場合にも、まずは話を聞く、褒めるといったプロセスを経て、
そのうえで「ここは良くできているから、次はここに注意しよう」という伝え方が有効です。
相手の気持ちを挫き反発力を狙った育成ではなく、現状を認め更に伸ばす、といったフィードバックを行うようにしましょう。
まとめ
特徴:人前では褒められも怒られもされたくない
対策:1on1のプライベートな空間で本人を認め、現状を更に伸ばすフィードバックを行う
まとめ①
特徴:とりあえずやる、は意味不明
対策:仕事への意味付けを小まめな 1 on 1で伝える
まとめ②
特徴:ハイリスクハイリターンよりもローリスクローリターン
対策:世代の特徴に合わせ、先に教えてまずは小さな経験をさせる
まとめ③
特徴:人前では褒められも怒られもされたくない
対策:1on1のプライベートな空間で本人を認め、現状を更に伸ばすフィードバックを行う
前編と後編の2部に渡って今期の新入社員の特徴と育て方についてお送りさせていただきました。
新入社員の思考回路や、なぜそのような考えに至ったのかをご理解いただくヒントになったのではないかと思います。
本記事が少しでも皆様のお役に立てましたら光栄です。